これは、あくまで私見です。
デッサンと言えば一般的に、モチーフを観察し紙にそのものを描く行為だと思います。
学生時代はそこまで意識してはいなかったのですが、改めて他者のデッサンをみてみると油画や版画とテザイン工芸のデッサンはやっぱりちょっと違うななんて感じてしまいました。
そこで、学科ごとのデッサンの考察をしてみました。
・デザイン工芸
現代においてほとんど、デザインの仕事は手描きでおこなってはいないと思います。
PCのソフトで作成されている事が多いので、そこまでデッサンに多くを求めていない感じがします。
基本的に立方体は立方体、球は球に見えていればよく、影の方向がチグハグでなければいいのです。
簡単にさっさっと描いて他者に伝わるデッサン力が求められます。
基本的にクライアントがあって、デザインは成立する職業なので。
なので、大学入試のデッサンも他の学科に比べて描く時間設定が短い事が多いです。
・日本画
日本画は、見たままに正確で細やかなデッサンが求められます。
日本画の歴史をみてもわかる通り、師の絵画をそのまま真似たような絵を弟子が描く事がよくあります。
伝承していく感じでしょうか。
なので、どの学科よりも見たままの正確な描写力が求められます。
そのなかで、色とかちょっとした目線の微細な個性の出し方をしているかもしれません。
モチーフを全体的に描きこむ事も多いです。
・彫刻科
塊から形を掘り出していく、まさに彫刻的なデッサンである事が多い気がします。
手のダイナミックな動きを線で感じさせる事もあります。
デッサンが1番かっこいいのが彫刻だと思います。
・油画、版画
1番、自分がどうモチーフをとらえたかを描かなければならないのが特徴かもしれません。
変な話、自分がいいと思えば写真のような正確なデッサンでなくてもいいのです。
もちろん、モチーフを全部描かなくても良いし描いても良いです。
ビンセント・ヴァン・ゴッホのデッサンも正解だし、レオナルド・ダ・ヴィンチのデッサンも正解でしょ?
でも、全然違うデッサンです。
久しぶりにいろんなデッサンを観て、考えさせられました。